教師になる前に

最近、バイトをしていて思ったことがあります。（今日は語りますよー）
私が１２月頃から数学を担当していた、ある中３の女の子がいました。
入試前ということで飛び入り的に入塾した子なんですが、その子を持つ前に、塾の責任者の人から言われた一言。
「びっくりするくらい（数学）できんから」
うーん…びっくりするくらいってどれくらいだろう…（笑）と思いながらその子の担当についたわけですが、えーと、まず正負の計算（中学校入って一番にやる単元ね）でつまづいてたんですね。
正直どうしようかと思いました。中３で？え、もう入試まで２ヶ月もないのに？と。
とりあえず、正負の計算は解き方をマニュアル化し、あとは一次方程式と根号（ルート）の計算だけはできるように教えながら…(；´∀`）
あ、そういや分数のかけ算も危うかった(笑
だから、とりあえず数学の大問１だけはなんとか解けるように教えてたんですね。それ以上は…うん、時間の関係で無理と判断。
女の子は、まぁさすがに危機感を感じてたようで、真面目に取り組むんですが…やはりなかなか定着しないですよね。定着しにくいから、何度も間違えるし、「さっき言ったじゃない…！」って間違いをするわけで。
ここまでの子は初めてで、正直、かなり精神的に負担に感じていたときもありました。大学志望の高校生受け持ってたときとはまた違う心労を…。
あと、やっぱり今までに勉強する習慣がほとんど無い子だから、集中力も１コマ（８０分）持たないしね。すぐ恋愛の話になるしね(笑
でも、塾というところは、もちろん生徒の学習を応援する場所ではあるけれど、同時に「塾の生徒＝お客さん」という方程式が成り立つ場所でもあるので、だいぶ割り切って（そりゃあ根気強く）数学を教えていました。
そして、この前、私立高校の入試がありました。
本人曰く「面接は完璧」らしい…数学は…うーん…ちょっと心配だけど(笑
まだ結果は出てない（たぶん明日？）のですが、入試が終わったということで、この前、最後の授業が終わりました。
本当はちゃんと授業しないといけないのですが、最後なので、だいぶ雑談をしながら…(；´∀`）
そこでその子の話を主に聞いていたのですが、「クラスでもしょっちゅう笑われる」、と。
数学の授業中、担任でもある数学の先生に問題を当てられても、まったくわからない。適当に何か言ったら、クラスの皆に大爆笑される。先生は「ああ、もうお前はそれでいいから」と放任。クラスのリーダー格の子が皆の前で「お前塾で何やっとるん？」と聞くので「正負の計算」と返すと、大声で馬鹿にされる…など。
本人は「まぁしょうがないし」という感じでそれほど気にしてない様子でした。
でも、本当にそれでいいのかな…と思ったり。それを「普通」だと感じるようになってはだめだと思うんです。
もちろん、誰にでも得手不得手はあります。でも、「不得手」に慣れすぎるのは危険かなと。
慣れないようにするために、親や教師がいるんだと思うんだけどな。その子の親は、「自分が言われたら嫌だと思うから、今まで『勉強しろ』と言わなかった」らしい。それは…ある程度自分で勉強する子に対してはそれでいいかもしれないけど、自分でまったく勉強する意思のない子に、その態度ではだめですよね。
ただ、絶対的に苦手なものって誰しも有るわけで。私は持久系の運動とカラオケが、この上なく苦手です…。
だから、タイミングというか……何かしら方法を考えて、その子が苦手とするものと向き合えるようにするきっかけを作ることが大切なのかな…と。ていうか彼女の場合はかなり親に責任があるだろー(；´∀`）
今回の入塾は、「大丈夫大丈夫ーいざとなったら働くしー」とかなり呑気に構えていた彼女を本気で心配した友人に勧められたようですよ(笑)でも、そういう友達がいるって本当に素敵。それは、彼女が誇れることですよね。
私は今回、この女の子を担当して、色々考えさせられました。こういう子もいるんだ、本当に勉強することを苦手としていて、それを諦めかけてる子もいるんだ。でも、本人は至って普通の女の子で、真面目に生きてて、色んなこと考えてて。教師になる前に、こういう子に出会えて良かった。…って気づくのが遅かったのが本当に残念。
私いつも気づくの遅いのよ……！今日テストだった授業も、後半につれて先生の話すことが「あ、この人の話聞きたい」って思い始めたし…！その授業、最初の方は内職ばっかしてたし…！←
はぁ。後悔ばっかりしててもしょうがないですね。これを今後につなげられたらいいな。
入試の合否が気になります。受かってたらいいな。